金継ぎ待ちの器たち

現在修理待ちの方々です。
個人的に金継ぎしようと骨董市などで集めたものがほとんどですが、実家で母が使っていた急須もあります。

こうしてみると染め付けの器が多いです。完全に好みです。

染め付けは仕上げが金でも銀でも映えます。染め付けでも素地の色や模様の色が微妙に違うので、より似合う仕上げを考えます。
夏に使いたい涼やかな柄・色合いの染め付けは銀で仕上げるとすっきりとした風情です。

初心者向け骨董市での器選び

骨董店や縁日(天神市や弘法市など)で買い求める事が多いです。キズの状態を見て、仕上げた時の姿を思い描きながら選んでいます。器自体の材質や形、傷の状態で金継ぎをする時の難易度も違います。
初めて金継ぎされる方が練習のために購入される際に選ぶポイントをあげておきます。

  • ①磁器である事
  • ②全体に光沢のある釉薬がかかっている物
  • ③浅くてシンプルな形をしている
  • ④割れている場合は部品が揃っている
  • ⑤割れている場合は3ピース程度まで

①磁器は密度が高く硬質です。一方、萩焼きや黒楽など土モノの陶器は割れた断面が脆くなりがちで、漆を吸い込んで接着が難しい場合があります。比較的硬質な土モノもありますので一概には言えないのですが、破片があれば区別しやすいです。

②最近はマットな質感の釉薬が掛けられた器も多いです。
これらは修理箇所以外を汚さないで綺麗に仕上げる為にマスキングなどの工程が必要になります。

③縦長の湯呑みなどは内側の補修が難しいです。縁が欠けてるだけなら難しくありません。
急須は注ぎ口が欠けることが多いですが、形を復元するのには根気が必要です。小皿や蕎麦猪口などは取りかかりやすいと言えます。

④破片がない場合、漆に骨材となる砥粉や木屑、綿などを混ぜたパテでその部分を作るか、別の器の破片を嵌めます。
あまり欠損部分が大きいと復元が難しいので、初めて金継ぎをする方は部品の揃っている物から取り掛かった方がいいと思います。

⑤単純にピースの数が多くなると元の形に戻すのが難しいということです。根気よく慎重に作業すれば大丈夫です。
接着がズレるとはずしてやり直せますが、かなり手間です。

縁日の楽しみ

縁日をぶらぶらのぞいてみるのは楽しいものです。思わぬ掘り出し物もあるでしょう。
店の片隅に割れた器が集められているようならちょっと足を止めてみませんか。
しょんぼりしている器を甦らせてみるのも良いですよ。